巷説百物語

巷説百物語 (京極夏彦/角川文庫)
続巷説百物語 (京極夏彦/角川文庫)

確かアニメの予告だけチラッと見たことがあったかな?
妖怪モノはもともと好きなジャンルということもあり、買ってみた。
普通の2~3冊分の厚みがあって読み切る自信はなかったけど、
一気にバババーっと読めてしまう、すごく引き込まれる話だった。

妖怪モノだと思ってたけど、ちょっと違うのね。
江戸時代を舞台に、法では簡単に裁けない悪党を巧みな「仕掛け」で裁く、
それを表向きには妖怪、物怪の仕業に見せかけている、という感じのもの。
「巷説百物語」の方は話がコロコロ変わって「ん?」という感じだけど、
それが徐々に1つの方向へ進んでいき、バシッと繋がる面白さ、
「続巷説百物語」の方は別々の話の中に共通する「七人みさき」が、
全てクライマックスの「死神」の話の伏線になっている面白さがある。

作家さん同様、言葉遣いや展開に「癖」が強いものの、
1つの話の最初5~6ページを読むと引き込まれていく魅力。
「続」の死神の話なんかは壮大で怖くて心臓バクバクになりながら読み、
その後寝ようとしても興奮が冷めずに寝不足になったほど(^^;

巷説シリーズにはもう1冊「後巷説百物語」というのもあるけど、
まだ文庫化されておらず、一応は「続」が区切りとなっているので、
文庫化されてから読むとして、他の京極作品も読んでみたくなったな。

珍しいよ、読書嫌いの自分が次々に読みたいと思うのは。
普通の現代サスペンス小説は、読み終わる前に飽きるぐらいで…
自分に合うものを見つけた、という感じでルンルン気分。

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